女子SPA!:2022年5月27日掲載

恋愛運が悪いのは“◯”のせいだった!
捨てれば人生がうまくいく


最近メディアなどで「毒親」「親ガチャ」という言葉を聞くようになりました。

写真はイメージです

 子供に対して暴言や暴力、過干渉で支配したり放置することで子供にとっての「毒になる親」のことを言う「毒親」。そして、カプセルガチャと呼ばれるカプセルトイのように、親の当たり外れで子供の人生がマイナスに左右されることを意味する「親ガチャ」。

 このような言葉が蔓延しているのは、老若男女関係なく親との間に葛藤をかかえている人が多いからだと、親子関係心理学の専門家でコーチングやコンサルティングしている三凛さとし氏は言います。


親の自分を「毒親」と感じている人は意外と多い

 三凛氏は、最新著書『親子の法則人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』(KADOKAWA)で、親子関係の実態を知るためにアンケート調査を実施。結果、「自分の親を毒親だったと感じたことがありますか?」という問いに、「よくある」「たまにある」と感じた人の割合が男性で61.8%、女性で65.9%にも上ったそうです。全体の6割以上の人が、自分の親を「毒親」だと感じているという衝撃!

三凛氏は、毒親に悩む人達の心に中には強い「親ブロック」があり、それが悩みや生きづらさの原因になっていると確信したそうです。

その経緯には、2014年から個人にコーチングをやっていく中で、お金や仕事や人間関係など人生の悩みを抱える人の多くが「親ブロック」を持っていて、それを解消することで生きづらさや悩みがなくなるとわかってきたことがあります。

この「親ブロック」とは一体何か…?『親子の法則人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』より抜粋します(以下、同書の一部を再編集)。

自分の本心を閉じ込めてしまう「親ブロック」とは?

「親ブロック」とは、親の発した言葉や態度から、親の価値観や先入観を感じ取ってしまい、それに合わせて自分を制限するようになることをいいます

 「親ブロック」があると自分の本心を閉じ込めてしまうので、自分の本当の望みや、やりたいことがわからなくなります。たとえば、転職を繰り返したり、過剰な浪費をしたり、つき合う人が短期間で変わったりする人。そういう人には「親ブロック」がある可能性が高いです。

 親に認められている実感が持てないので、自己肯定感が育ちにくく、仕事に対してもお金の使い方に対しても主体性が持てなくなり、将来への夢を思い描きにくくなっていきます。また、親との関係をパートナーに投影してしまうため、パートナーシップがうまくいかないケースもあります。

 ……このように、生き辛さや、悩みをかかえて苦しんでいる人は、一度親との関係を見つめ直してみるとそこに解決のヒントがあるかもしれません。


人生の9割は「親との関係」で決まる

 人生の9割は「親との関係」で決まる……衝撃的な章タイトルですが、これはウソ偽りのない真実だと三凛氏は断言します。

親は子どもが出会う最初の「他者」であり、頼りにすべき「保護者」。

 親との生活で受けた影響は、人格を形成する時期を過ぎて大人になってからも、ずっと残り続けます。親の考え方や生活信条、価値観などさまざまな面で受ける影響の中には、プラスのものもあればマイナスのものもあります。特にマイナスのものが心に深く刻印され、後々まで残りやすい傾向があります。自分の親を「毒親」だと思っている人が多いのも、そのためでしょう。

 三凛氏も、幼少期に「典型的な昭和の父親」に育てられ、子ども心に「この人には逆らえないな」と感じてビクビクしていたそうです。そして、そんな子供時代の名残からか大人になっても、人見知りで初対面の人となかなか打ち解けられない性格になってしまったとか。

 その結果、入社した会社では上司とうまくいかなかったり、働く意欲が持てずいい成績が出なかったり…。独立しても食べていけず結局親のスネをかじり、恋愛においてもなかなか成就せず、パートナーシップに何年も恵まれなかったそうです。

「親捨て」すれば恋愛運がアップする?!

 育った家庭が放任主義で、愛情を感じたことがなかった美香さんは、いつのころからか、心には埋めようのない寂しさが芽生え、成長するとともに恋愛対象の男性に依存するようになっていきました。

 恋人ができても「いつか離れていってしまうのではないか」「自分には相手を引きとめる魅力もなく、その価値もないと思われているのでは?」と不安になって、必要以上に嫉妬したり束縛したりしてしまうのです。

 だけど、「親捨てワーク」(次章で紹介)を行ったことで、親は美香さんの望むような愛し方をしていなかっただけで、親なりのやり方で美香さんを愛してくれていた、考えてくれていたことが実感でき心が満たされたとか。

 親から愛されていたという実感が得られるようになると、自身もパートナーに求めすぎることのない「いい関係」を築くことができるようになっていくそうです。

「親捨てワーク」8つのステップ

この章では、「親捨て」を実現させるための「親捨てワーク」のやり方を紹介します!
「親捨てワーク」は8つのステップで、自身の心の中に変化を起こし、親に対する見方を変えていくものです。


 多くの人は多かれ少なかれ、これまでの親の言動を「悪いことだった」「自分の心を傷つけるものだった」とネガティブにとらえています。このワークでは、その解釈の偏りをゼロに戻していく作業をします。

 その結果、両親をありのままに見ることができるようになり、親から受けた傷が癒されていきます。親に対して働きかけをする必要はないので、安心して進められますね。

 では、ワーク1のやり方について、詳しく紹介します。


ワーク1 ネガティブ感情の源を明らかにする

 ワークは紙に書くか、スマホやパソコンに入力する形で進めていきます。

 
 まず、あなたが親に対して、今までもっともネガティブな感情を抱いたシーンを思い浮かべてください。  三凛氏の場合、子供の頃父親に対して、明らかな嫌悪感を抱いた瞬間を書き出しています。

 三凛氏は13歳の夏、父から「お母さんと離婚することになった。お前たちはお母さんと一緒に日本に帰って、おじいちゃんの家で暮らしなさい」と言われたそうです。このとき、「自分は別にこの世に産んでほしいと頼んで産んでもらったわけではない。親の都合で俺をこの世に産み出して、勉強しろだのサッカーうまくなれだの、あれこれ強制したあげくに途中で育てるのを放棄するのかよ! 何なんだ、こいつは?」と猛烈な怒りが湧いてきた。これが父に怒りを覚えた瞬間だそうです。

 そんな怒りを覚えた瞬間を、

私は13歳の中学1年生。 場所は当時住んでいたシンガポールのマンション。 たしか6月の夕方時ごろ。 スコール前のどんよりした空気が漂う中。

 ……と、こんなふうに、まるで映画を見るかのように、その場の状況や情景を頭の中によみがえらせます。第三者の目で見ているように思い出すのがコツです。

 そして感情を抜きにして、客観的な事実だけを紙に書くか、スマホやパソコンに入力していきます。するとこのような文章になります。

13歳の夏、シンガポールの家のリビングで父と2人きりになったときに、『お母さんと離婚することになった。お前たちはお母さんと一緒に日本に帰って、おじいちゃんの家で暮らしなさい』と言われた

 あくまでも「出来事」だけを書くのがポイントで、父はケチだった、母は冷たかった、父はほかのきょうだいのほうが好きだった…という具体性のない言葉はNG。何かが起きたからこそお父さんをケチと感じたり、お母さんを冷たいと思ったりするようになったはずです。その出来事が、いつどこで起きたのか、細かければ細かいほど、事実として見やすくなります。

【例文】 「16歳の2月か3月、夕方にデパートで母と買い物をしていたら『あんたブスね』と言われた。周りにはたくさんの人がいた」

「15歳の春ごろ、習い事からの帰り道、父に『お前よりも弟のほうが出来がいいから』と言われた」

 このように、自身の怒りの原体験を思い出して書き出してみましょう!

 残りの「親捨てワーク」の具体的なやり方は、『親子の法則人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』を参照してくださいね!


「親捨て」してあなたもハッピーになっちゃおう


 「親捨てワーク」の8ステップを完了すれば誰もが「今までの自分の人生は何だったんだろう」と感じるそうです。

 親を恨む気持ちやモヤモヤが消えて、すべての経験、時間に意味を感じられるようになれば、人生はより豊かになります。もし今、生き辛さをかかえているなら、一度「親捨てワーク」にチャレンジしてみては!?


※Yahoo!ニュース、マイナビ子育て等、多数のニュースサイトに掲載されました。