ダ・ヴィンチWeb:2022年10月28日掲載

生きづらさの理由は、親の価値観や先入観を感じ取って自分を制限してしまう「親ブロック」が原因かも?/親子の法則


 知らず知らずのうちに「自分の限界」を決めてしまうことはありませんか? 自己肯定感が低い、欠落感を抱えている、主体性を持てない…それはもしかしたら、親からの刷り込みによる「親ブロック」があなたを縛っているからかも?

 三凛さとし著の『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』は、親との関係がうまくいかない人、親からの抑圧に苦しんできた人に、親に対する偏見を取り除き、親を客観視できるようになる「親捨て」ワークを提案します。親子関係を見直すことで本来の自分を取り戻し、自由に生きるためのヒントを与えてくれる1冊です。

 自分の親を「毒親」だったと感じる――それは、心の中の「親ブロック」が原因かもしれません。

※本作品は三凛さとし著の書籍『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』から一部抜粋・編集しました

はじめに 心の奥に眠った「親ブロック」を取り去る

「毒親」や「親ガチャ」という言葉に、ドキッとしたことはありませんか?

 毒親とは、過干渉や暴言・暴力などで子どもを思いどおりに支配したり、自分の都合を優先して子どもを放置・遺棄したりすることで、子どもにとって「毒になる親」のことを言います。

 親ガチャとは、「カプセルガチャ」と呼ばれるカプセルトイのように、親にも当たりはずれがあり、それによって子どもの人生が左右されること(おもにマイナスの方向)を意味します。


 いずれも、近年で広く使われるようになってきました。

 私は「目醒めの学校」というオンラインスクールを主宰し、親子関係をはじめとしたさまざまな課題を解決するためのコーチングやコンサルティングをしています。そんな私のもとにも、親との関係に悩む人たちからのご相談が多く寄せられるようになってきました。

 相談者の年齢や性別はさまざまで、「老若男女関係なく、親との間に葛藤を抱えている人がこんなに多いのか」と驚かされます。


 そこで、親子問題の実態を知りたいと思い、2021年11月26~27日に親との関係について調査を実施しました。調査はインターネットで20歳以上60歳未満の男女を対象に行い、サンプル数は男性102人、女性1108人の合計1210人です。

 その結果は、予想の斜め上をいくものでした。

 「自分の親を『毒親』だったと感じることがありますか?」という問いに、「よくある」「たまにある」と感じた人の割合が男性で61.8%、女性で65.9%にも上ったからです(合同会社serendipity調べ)。

 そもそもアンケートの回答者は私のウェブサイトを見てくれている人たちなので、何らかの悩みを抱えていることは想像がつきます。とはいえ全体の6割以上の人が、自分の親を「毒親」と認識しているという事実には、改めてこの問題の持つ根深さを感じずにはいられませんでした。

 ちなみに、調査対象者のうち「お金が貯まらない」と答えた人の割合は約70%、「将来への漠然とした不安を感じている」と回答した人の割合も50%を超えています。

 私はこの結果を見て、私自身がそうだったように、調査に応じてくれた人たちの心の中に「親ブロック」があり、それがさまざまな悩みや生きづらさの原因になっているのだと確信しました。

 「親ブロック」とは、親の発した言葉や態度から親の価値観や先入観を感じ取ってしまい、それに合わせて自分を制限するようになることを言います。

 「親ブロック」があると自分の本心を閉じ込めてしまうので、自分の本当の望みややりたいことがわからなくなります。

 たとえば、転職を繰り返したり、過剰な浪費をしたり、付き合う人が短期間で変わったりする人。そういう人には「親ブロック」がある可能性が高いです。

 親に認められている実感が持てないので、自己肯定感が育ちにくく、仕事に対してもお金の使い方に対しても主体性が持てなくなり、将来への夢を思い描きにくくなっていきます。

 また、親との関係をパートナーに投影してしまうため、パートナーシップがうまくいかないケースもあります。

 私自身も長い間、父との関係で形成した「親ブロック」に苦しんできました。

 今でこそ自分のやりたい仕事に邁進し、住む場所さえも自由に決められるようになった私ですが、以前は自分の人生に納得も満足もできていませんでした。欠落感を抱えてさまよい続け、どうしたら自分のからっぽな心を満たすことができるのか、見当もつかずにもがき続けていました。

 仕事がうまくいかなくて経済的にもジリ貧で、パートナーシップもうまくいかず1回目の結婚は離別に終わりました。

 しかし今では、自分自身を見つめ直し、自分の本当にやりたいことを見つけ、自分自身がこの世に生まれてきた使命をまっとうするために全力で取り組むことができています。

 私の場合、自分の生きづらさや人生がうまくいかない原因が、父との折り合いの悪さにあることは見当がついていました。

 私にとって重大な「父との心理的な問題」をなんとか解決したいと思い、心理学や自己啓発を学ぶようになりました。その中でも、人間行動学の権威であるジョン・ディマティーニ氏の「ディマティーニ・メソッド®」というワークを知ったことで、私の人生は急展開を見せることになったのです。

 「ディマティーニ・メソッド®」は、人生のさまざまな要素について視点を変えて見ることで先入観をなくし、ものごとをニュートラルにみられるようになるワークです。

 私はそれを、父との心理的な関係を改善するために使ってみることにしました。

 すると霧が晴れたように、父との関係も含め、自分の人生がクリアに見渡せるようになったのです。

 何より大きかったのは、自分自身が本当にやりたいこと・やらなければならないことに気づけた点です。

「この経験を多くの人に知ってもらい、親との関係で悩んでいる人や『親ブロック』で生きづらさを感じている人の役に立ちたい」と強く思うようになりました。

 そこで親子関係心理学を深く学び、ライフコーチとして多くの方のご相談を受けるようになったのです。

 自分のやりたいこと、やるべきことが明確になって、迷いなく仕事に邁進できるようになると、結果としてお金もついてくるようになりました。

 父のイメージを重ねてしまうため苦手だった目上の男性とも、自然に接することができるようになり、引き立ててもらえる機会も増えました。

 私自身が企画・運営しているオンラインコーチングプログラムに参加してくださった方の数は累計9万人を超えています。

 最近では、世界的な実業家であるイーロン・マスク氏(アメリカの電気自動車メーカー「テスラ」や宇宙開発企業「スペースx」の最高経営責任者)のお母さまであるメイ・マスクさんの日本初公演で、親子関係についてのインタビュアーを努めさせていただく機会にも恵まれました。

 仕事の多くはオンラインで行っているので、「いつか住んでみたい」と思っていたヨーロッパに住み、気候に合わせてヨーロッパ内を移動。年に数か月は日本に滞在するという、「住む場所の自由」も獲得できています。

 このように人生が好転したのは、うまく「親捨て」ができたからにほかなりません。

 自分のこの経験が、「親ブロック」に悩む多くの人の役に立つのではないかと考え、「ディマティーニ・メソッド®」や、その他の心理セラピーをベースに試行錯誤を重ねた末、親のブロックを取り去ることに特化した「親捨てワーク」を作り出すことに成功しました。

「親捨てワーク」の特長は、それまで偏っていた親に対する見方をニュートラルに戻し、客観的な目で親を見られるようになる点にあります。

 それによって、自分を縛りつけていた親の影響から解放され、お金・時間・場所・人間関係・健康など、人生の重要な要素のすべてを自分の自由にできるようになっていきます。

 私と同じように「親捨て」を実現したことによって、本来の自分を取り戻し、自由に生きられるようになった人たちの喜びの声を、いくつかご紹介しましょう。

●独立して事業を起こし、成功することができました!(32歳・男性)

●お金の不安がなくなり、自分は豊かだということに気づけました!(41歳・女性)

●恋愛依存気味で1~2か月で別れを繰り返してきたけれど、相手に依存しすぎず、長続きするパートナーシップを築けるようになりました!(29歳・女性)

●不満だった毎日に喜びを見いだせるようになりました!(27歳・女性)

●過干渉だった親から自立でき、過食・拒食気味だったのが解消して、自分らしく生きられるようになりました!(25歳・女性)

 次はあなたの番です。

 これまで親の抑圧に苦しんできた人はもちろん、「何となく自分の親が〝毒親〟だったのではないか?」「自分は〝親ガチャ〟に外れて損をしているんじゃないか?」「など、「毒親疑い」「親ガチャ疑い」の人にも強くおすすめします。

 また、本書でお伝えしている内容は、単親家庭で育ち、片方の親を知らない方でも、孤児院で育つなどして血のつながったご両親の記憶がない方にも有効です。

 10代から60代・70代まで、すでに親御さんが他界している方も含めて、すべての人に行っていただきたいワークです。

「親捨てワーク」は、親本人に対して働きかけを行うものではなく、自分1人で完結できる手法が中心ですので、誰でも安心して行うことができます。

 親の呪縛から解き放たれ、思いきり大きな夢を描いて、その実現に向けて歩き始めましょう!

<第2回に続く>


※Yahoo!ニュース、マイナビ子育て等、多数のニュースサイトに掲載されました。