ダ・ヴィンチWeb:2022年11月1日掲載

男運が悪い、“ダメンズ”を引き寄せ続ける…大人になってからの男女の関係性にも両親の影響が?/親子の法則


 知らず知らずのうちに「自分の限界」を決めてしまうことはありませんか? 自己肯定感が低い、欠落感を抱えている、主体性を持てない…それはもしかしたら、親からの刷り込みによる「親ブロック」があなたを縛っているからかも?

 三凛さとし著の『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』は、親との関係がうまくいかない人、親からの抑圧に苦しんできた人に、親に対する偏見を取り除き、親を客観視できるようになる「親捨て」ワークを提案します。親子関係を見直すことで本来の自分を取り戻し、自由に生きるためのヒントを与えてくれる1冊です。

 過度に他人の意見に惑わされる、自分以外の人がうらやましく感じる人は、親との関係が影響している可能性も――。

※本作品は三凛さとし著の書籍『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』から一部抜粋・編集しました

恋愛運が悪い

 パートナーシップには、両親との関係がダイレクトに反映されると言っても過言ではありません。

 特に、女性の「男運が悪い」という嘆きをよく聞きますが(あくまでも個人的な感想です)、それも無理がないかなとも思います。

 というのも、2021年に世界経済フォーラムが公表したジェンダー・ギャップ指数(男女格差を数値化したもの)で、日本は世界153か国中120位。まったくもって不名誉なことですが、日本は先進国の中でもトップクラスの「男女差別の強い国」だという現実があります。

 実際に知人の女性たちから、「ワンマンな父親が母親を虐げる姿を日常的に見てきた」という話をずいぶんと聞きました。

 「虐げる」というのは、なぐったり蹴ったりなどの暴力だけではありません。父親が母親をバカにする言動を取っていたとか、自分だけ好き放題して母親に苦労をかけてばかりいたというのも、父親による母親への精神的虐待、モラルハラスメントです。

 また、父親が全然働かなかったり、働いていたとしても稼ぎが極端に少なかったりなど、ふがいないタイプの場合も、いわゆる「ダメンズ」を引き寄せ続ける原因になったりします。

 そんなふうに「苦労される父&苦労している母」の姿を見続けているうちに、男女の関係性について「男性は女性につらくあたるものだ」「女性は常に被害者になる」というイメージを持つようになり、自分が大人になった時に同じような現実に甘んじてしまう事が多いように感じます。

 男性の場合は、母親との折り合いが悪いと、女性に対して苦手意識や嫌悪感をもつという形で現れやすいようです。

他人の言動に左右されてしまう

 自分では「こう」と思っても、ほかの人から「そうじゃなくて、○○なんじゃない?」と言われると、自分が間違っているのかもしれないと考えがグラつくことはありませんか?

 また、自分だけが損をしていて、自分だけが思ったように人生が回っていかないように感じられ、ほかの人がうらやましくなることはないでしょうか?

 誰しも多かれ少なかれ、ほかの人の意見に惑わされたり、うらやましく感じたりすることはあるでしょう。しかし度が過ぎている場合は、親との関係が影響している可能性が高くなります。

 たとえば、親が絶大な権力を行使して、子どもである自分を支配下に置いていたようなケースです。

「こうして親の言うことを素直に聞いていれば、間違いないのだから」と正解はすべて親が持っていると言わんばかり。それに従わされる人生を送ってきてしまうと、大人になったときに、自分で考え、自分で人生を選択して行動することが難しくなってしまいます。

 そうなると、自分の人生が自分のものでないような感じがつきまとい、自分に自信を持つことができません。

 そのため、過度に他人の意見に惑わされたり、自分だけが損をしているような気持ちになり、自分以外の人がうらやましく感じられたりするようになっていきます。

私たちは想像以上に親の影響を受けている

 このように詳しく見て見ると、「親の影響がいかに大きいか」を改めて考えさせられます。

 親の影響が絶大なのは、子どもにとってもっとも身近で、もっとも頼りになる存在であるということと、一緒に過ごす時間が長いことが関係しています。

 一般的には高校を卒業するくらいまで、経済面も含めて親が全面的に子どもの面倒を見る期間が続きます。

 つまり、子どもにとっては18年もの間、日々、親の話す内容が耳に入り、親の行動を目にする状況が続くということになります。当然のことながら、その影響は絶大なものです。

 また、日々の生活の中での親子の関わりが、子どもにとってのコミュニケーションの原点となっていきます。

 家庭はある意味、閉ざされた世界でもあります。そもそも偶然に見てしまうか、故意にのぞき見するかしない限り、よその家庭のありのままの姿を目にする機会はまずありません。

 自分の親以外の人は、どういう親でしょうか?

 子どもとどう関わっているのでしょうか?

 詳しい部分は知りようがないのです。

 こうして家庭という閉ざされた場所で、自分の親を基準として人格が形成されていくわけです。問題は親の価値観や先入観を引き継いでしまい、知らず知らずのうちに自分の中でさまざまな制限をかけ、自分で自分を生きづらくしていることです。

 前述のとおり、これを私は「親ブロック」と呼んでいます。

 親から自立していくための第一歩は、どういう部分で自分に「親ブロック」がかかっているかを知ることです。

<続きは本書でお楽しみください>


※Yahoo!ニュース、マイナビ子育て等、多数のニュースサイトに掲載されました。