マイナビ子育て:2023年1月13日調査リリースが掲載

両親の仲が悪い、子育てが母親任せの家庭の子どもは、ひきこもりやニートになる確率が2倍に


 『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』の著者・三凛さとし氏は、15歳以上60歳未満の契約・派遣社員、フリーター、無職の未婚男性全国4,000人を対象に「ひきこもりとニート」について調査しました。

子どもがひきこもりやニートになる原因とは?

内閣府の調査によると、15歳以上40歳未満のひきこもりは推計54万1千人(※1)、40歳以上65歳未満は推定61万3千人おり、7割以上が男性となっています。(※2)

そこで行った今回の調査。どんな結果が得られたでしょうか。

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※1 2016年9月発表の「若者の生活に関する調査報告書」
※2 2019年3月発表の「生活状況に関する調査」

※1.「あてはまるものはない」(40.9%)、親がお金に苦労していた姿も苦労していない姿も両方見てきた人は除く。

●3割以上がひきこもりやニートの経験あり

「ひきこもり(※3)やニート(※4)、中年ニート(※5)の経験はあるか?」尋ねたところ、67.5%が「どれも経験がない」と回答し最多に。

その一方で、「現在、ひきこもり中」(8.4%)、「過去にひきこもりの経験がある」(7.4%)、「現在、ニート(中年ニート)中」(7.0%)など、ひきこもりやニート(中年ニート)の経験がある人も32.5%もいることがわかりました。

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※3 ひきこもりとは、自宅にひきこもって学校や仕事に行かずに、家族以外との親密な対人関係がない状態が6ヶ月以上続いている状態のこと。
※4 ニートとは、15〜34歳で、働いていない、通学していない、家の仕事、あるいは家事を手伝っているわけでもなく、仕事に就くために就職活動もしていない人たちのこと。
※5 中年ニートとは、35歳以上のニートのこと。

●ひきこもり経験者の約半数に、未成年期の家庭環境に不満や問題あり

ひきこもりやニート(中年ニート)の経験者1,300人と未経験者2,700人それぞれに「未成年だった頃、家庭環境について不満や問題を感じていたか?」を聞きました。

未経験者の最多は「感じていなかった」(38.9%、経験者は16.8% )。一方、経験者は「感じていた」(23.9%、未経験者は11.1%)、「やや感じていた」(23.0%、未経験者は13.7%)が2トップとなり、家庭環境について不満や問題を感じて経験者は未経験者よりも約2倍多い結果となりました。

●ひきこもり経験者の約半数に、未成年期の家庭環境に不満や問題あり

続いて、「未成年だった頃の父親と母親の関係」について尋ねました。

どちらも最多は「夫婦仲は良好」(経験者:35.8%、未経験者:41.0%)でしたが、「夫婦仲は悪かった」(経験者:19.9%、未経験者:9.4%)と「父親は子育てを母親に任せっきりだった」(経験者:15.0%、未経験者:5.7%)は、経験者が未経験者よりも2倍以上も多くいました。

●三凛さとし氏の解説

子どもがひきこもりやニートになる原因は、大きく分けて2つ考えられます。

1.自分自身の人生をサポタージュすることで両親に復讐
ひきこもりやニートなどになる子どもには、「そうなることで親の間違いを指摘したい、恥をかかせたい、困らせたい」という心理が働いていることがあります。自分自身がイキイキと幸せに人生を生きてしまったら、親の育て方や教育は正しかったことの証明になってしまうからです。

2.未成年期に十分に受け取れなかった愛情を確認
また、「親に手間をかけることで、親からの愛情を確認する」ということもあります。成人してからもひきこもったり、ニートになったりすることで、未成年期にしてもらえなかったことの補償を受けたいという心理が働きます。

親ができる対策とは?

未成年期の家庭環境が原因で自分の子どもがひきこもりやニートになってしまった場合、3つの対策が考えられます。

1.非を認め、子どもに謝る
確かに未成年期の家庭環境に原因があると感じられるのであれば、まずは当時の非を認め、謝ってください。そこから初めて新たな関係を築いていくことができるようになります。

2.子どもの話を聴く
謝ることに加えて、子どもにとって何が嫌だったのか、どうしてほしかったのかなど、心から向き合い話し合ってください。とにかく子どもの話を否定せず聴き、気持ちを理解することに努めてください。

3.面倒を見過ぎず、自立させる
特に、ひきこもりやニートの成人した子を持つ親は、子どもの面倒を見過ぎるがあまり、ひきこもりやニートが長期化してしまうケースが少なくありません。

そもそも、本当に子どものことを信じているのであれば、突き放すことだってできるはずです。強制的にでも離れた方が、子どもの自立は早いかもしれません。


<調査概要>

調査期間:2022年12月19日
調査手法:インターネット調査
調査年齢:15歳以上60歳未満
調査対象:契約・派遣社員、フリーター、無職の未婚男性全国
有効回答者数:4,000人
調査機関:Freeasy

(マイナビ子育て編集部)