女子SPA!:2023年11月15日掲載

「食事中は私語禁止」厳しい実父に子どもを預けるのが不安。
自分と同じ思いをさせたくないけれど…



親子関係心理学の専門家でコーチングやコンサルティングしている三凛さとし氏。著書『親子の法則人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』では、人生の9割は「親との関係」で決まる、と人格形成においていかに親の影響力があるかを説いています。 恋愛、夫婦関係、仕事、お金…など、現代社会を生きる女性たちは様々な悩みを抱えています。その悩みの根幹には、親子関係や過去の自分が少なからず影響しているのでしょうか? コーチングプログラムなどを通して、これまで何万人もの方の、人生好転の手助けをしてきたという三凛氏に、悩める女性のリアルなお悩みに答えてもらいました。

厳しい父親が苦手……自分にもしてきた古い教育方針で子どもにも接していて心配です。

写真はイメージです。(以下同じ)

相談者:女性・45歳・会社員

「仕事が忙しい時期は、自分の両親が子どもを見てくれているのですが、父親の子どもに対する接し方が厳しく、気になっています。『オシャレより勉強』『食事中は私語をしない』など、古い価値観や教育方針で子どもと接するので、悪影響が出ないか心配です。自分も父親から厳しく育てられて嫌な思いをしたこともあり、自分の子どもには同じ思いをさせたくないと思ってしまうのです。 でも忙しい時は親を頼らざるを得ない状況で、心苦しいですが預けてしまっています。近くに住んでいて離れるのが難しい上に、両親は孫育てに積極的に関わりたいようで、無下(むげ)にもできず…。もちろん、面倒を見てくれることに感謝はしています。父親へ子どもに厳しく接しないようにしてもらうには、どうしたらよいでしょうか」

問題は自分の中にある「親へのわだかまり」

――親に子どもとの接し方を変えてもらうというのは、可能なのでしょうか?

三凛さとしさん(以下、三凛)「基本的には難しいかなと思います。もし相談者の方が直接親と向き合い『自分の教育方針とは違う』と話せるなら話し合った方がいいとは思いますが、おそらく生きてきた前提が違うので、親の価値観は今さら説得しても変わらない可能性が高いです」

――では、やはり親に子どもを預ける以上、状況を変えるのは難しい……?

三凛「そうですね。子どもを親と関わらせたくないのであれば、別のところに預けるという方法を選ばざるを得ないでしょう。 ただ、この話は、親と孫の関係性ではなく、相談者の方自身の親に対する思いに問題があると思われます。まずは、相談者の方が親との関係を改善することが先決かなと思います」

ネガティブな出来事からメリットを探し出す

――親から厳しくされたことに対して、嫌な思いをしたと感じているようですが、このような親へのわだかまりをどうすれば解消できるのでしょうか?

三凛「親に対して恨みやわだかまりを抱えている時は、親捨てワークをおすすめします。親にされたことをネガティブな方向からだけではなく、ポジティブな方向からも見てメリットを見つけていきます。

例えば、オシャレがしたい時期に父親から『見た目なんかよりも勉強しろ』と言われたとして、その時は『ひどい』と思ったかもしれませんが、勉強をしたおかげで良い大学に入れた等といったメリットがあったはずです。同じ出来事からデメリットだけを見出すのではなく、メリットもあったんだということに気づくと、認知を変えることができ、親への恨みも和らいできます」

――親とのわだかまりが解消できれば、子どもへの影響に不安は感じにくくなる…?

三凛「自分の子どもがおじいちゃんと接することを嫌がっているなら別ですが、そうでないのであれば、子どもたちに不満はないのかもしれません。おじいちゃんの教育によって子どもも良い学校に入れたり、礼儀正しくなったりすれば、実はそれもメリットとも考えられます。 自分の親にとっては、孫の世話ができることは喜びで、親孝行にもなっているかもしれませんし、ここでも違う角度や立場から見て認知を変える必要があるでしょう」

まずは感謝を伝える。伝わらないなら実践している姿を見せて

――ちなみに、親と教育方針について話し合うことになった場合、気を付けるべきことはありますか?

三凛「まずは子どもの世話をしてくれていることに関して、感謝を伝えましょう。そして冷静に話し合うことです。否定せず、『こうしてほしい』と提案する形がベスト。

ただ、相手は自分の教育方針が正しいと思っているので、なかなか変われない可能性が高いです。言葉で伝わらない場合は、自分が子どもと接する姿を見せて、行動でわかってもらうのも良いかもしれませんね」

親に嫌な思いや不信感があっても、見方を変えてみると、実は悪いことばかりではない可能性も。
違う角度から物事を見てみると、意外と悩みも解消へと近づいていくのかもしれません。

<三凛さとし 文/女子SPA!編集部>


Yahooニュースにも転載されました!


※Yahoo!ニュース、マイナビ子育て等、多数のニュースサイトに掲載されました。