TV For JAPAN -日本を経営せよ!に出演:2024年6月28日

【For JAPAN #12「健康とは経営である」】


ABEMA TV For JAPAN -日本を経営せよ!-に弊社代表三凛さとしが出演いたしました!

【For JAPAN #12「健康とは経営である」】

今週のテーマは「健康の作り方」

「働き方、下手じゃない?」「健康より『健全』が大事」「いいからテニスをやれ!」「70歳で劇団オーディション」

経営者たちが日本の教育に対して徹底議論!


ABEMA TV For JAPAN -日本を経営せよ!-に弊社代表三凛さとしが出演いたしました!

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TV For JAPAN -日本を経営せよ!に出演:2024年6月21日

【For JAPAN #11「健康とは経営である」】


ABEMA TV For JAPAN -日本を経営せよ!-に弊社代表三凛さとしが出演いたしました!

今週のテーマは「1日8時間改革は是か否か」

「現場ガチャでハズレを引くとすぐ辞めます」「時間の改革、今更ですか?」「早く終わらせるのはプロじゃない」「ワクワクする仕事をさせよ!」

経営者たちが日本の教育に対して徹底議論!


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日刊SPA!に30代でFIREを達成した経営者が実践している「成功するために意識している“7つの習慣”」が掲載:2024年10月31日

30代でFIREを達成した経営者が実践している「成功するために意識している“7つの習慣”」


皆さん、こんにちは。メンタルトレーナーの三凛さとしです。私は20代で借金と挫折を経験し、その中でメンタルトレーニングの重要性に気づきました。その後、ビジネスに成功し、30代で一度FIREを達成。その体験などをもとに「人生を好転させるヒント」をSNSで発信しています。

日刊SPA!では「ストレスなく生きていくための方法」をお伝えできればと思っております。

 

成功するために意識している「7つの習慣」とは

些細な日常習慣がパフォーマンスを下げたり、数年後の人生を大きく左右したりすることは、往々にしてあることです。そこで今回は、私が日々のパフォーマンスを最大限に上げ、なおかつ成功するために意識している7つの習慣を紹介していきます。

まず、一つ目の習慣は「寝すぎないこと」です。個人差はありますが、長時間寝すぎる“過眠”はうつ病リスクを引き起こすことがあると言われています。  

うつ病気味のクライアントさんがいらっしゃる際、私はよく一日のタイムスケジュールを見せてもらいます。みなさんに共通するのが、寝すぎているという点です。以前、毎日10時間寝ている方に「6時間睡眠にしてみてください」とアドバイスをしたら、たった2か月でメンタルが回復したという事例もありました。

なお、私の場合、1日の睡眠時間は4〜5時間ほどです。日々ストレスがなく、毎朝「早く起きたい。寝ている時間がもったいない」と思える生活を送っているので、全然無理をしていません。もちろん個人差はありますが、「最近メンタルの調子が悪いな」と思う人は、ぜひ一度睡眠時間を見直してみてほしいと思います。

 

毎朝20分間、運動習慣を持つ

 私は毎朝20分間の有酸素運動と筋トレを習慣にしています。運動は単に体を鍛えるだけではなく、脳のパフォーマンスも上げてくれます。

 運動することで、テストステロンとかドーパミン、ノルアドレナリンなど、いわゆる「幸せホルモン」が分泌されるのです。そして気分が前向きになり、脳の血流がアップして、集中力もぐっと上がります。そのため、仕事の効率も上がるなど、とにかく良いことづくめです。

 

食事は8時間のうちに済ませる

食事は単なるエネルギー補給ではなく、心と体のバランスを保つための大切な要素なので、かなりこだわりを持っています。まず、ひとつには、現在巷でも人気の「8時間ダイエット」を取り入れていて、食べる時間帯は8時間以内に抑えています。

 また、朝食や昼食はほとんど食べず、夕食が中心です。その理由は、食事を摂ると、その後どうしても眠くなってしまってパフォーマンスが下がってしまうから。たまにお昼ご飯が食べて眠たくなったときは、1日3回まで15分だけパワーナップ(昼間の仮眠)を取るようにしています

 

豪華な料理はほとんど食べない

経営者をしていると、外食続きの日々なんじゃないかと思われがちですが、私の場合は、外食はできるだけ控えています。また、外食する場合は、身体によいものを食べることを意識しているので、ミシュラン店や高級店よりも、オーガニックレストランを選びます。だから、脂っこいものや味の濃いものはほとんど食べません。

 ちなみに、人が脂っこいものや味の濃い食べ物を欲する時は、だいたいストレスが原因です。「なんだか身体に悪そうなものが食べたい!」と思ったときは、ご自身のストレス環境を見直してみてほしいと思います。

 

仕事は「ポモドーロ・テクニック」を使って、30分単位で進める

みなさんは、ポモドーロ・テクニックをご存じでしょうか? これは、25分間集中し、その後、5分間休むというリズムで仕事をする時間管理術です。

 仕事が山積みでどこから手をつけたらいいか迷うとき、このタイマーを使うと「とりあえず25分集中してやってみよう」という気持ちになれます。

 25分間集中して、作業が終わったら、必ず5分間休憩します。この休憩は、気持ちをリセットするうえで、とても重要です。最近は、このタイマー機能が標準で入っているパソコンもありますし、スマホのアプリなどもたくさんあるので、「ここ一番で集中力を高めたい!」というときは手軽に取り入れてみてください。

 

神棚に毎朝お参りをする

 毎朝、神棚にお参りするのが、私の日課です。まず、お水を変えて、手を合わせて拍手を打つ。これだけの作業ですが、心が整う感じがします。スピリチュアル的な要素というよりは、言ってみれば「マインドフルネス」の一種なのかなと思います。  

神棚に向かって手を合わせることで、その瞬間だけでも心が「今ここ」に集中して、頭の中がクリアになる。そして、毎朝同じことを繰り返すことで、頭がリセットされ、自分自身を見つめ直す時間になるのです

 余談ですが、経営者の方は神棚を大事にされている方が、実は非常に多いです。おそらくですが、成功している経営者の方は細部までとことん考え、万策をとる方が大半だと思います。そして「自分にやれることは全部やろう」という精神があるからこそ、その一環として神棚を大事にしている方が多いのでしょう。

 

ビジネス以外で熱中できる世界を持つ

いま、私は海の近くに住んでいることもあって、毎日マリンスポーツをやっています。海の中に入るたびに、誰かと競わず、ただ自分が心地よいと思える時間をひたすら過ごす大切さを痛感します。

 ビジネスの世界は、どうしても数字に追われ、結果を求められがちです。その結果、どこかで自分が「面白みのない人間」になってしまう。でも、ビジネス以外の熱中できる世界を持ち、「数字じゃない楽しみ」を味わうことが、人としてもビジネスパーソンとしても、人生を楽しむコツなのかなと思っています。

 以上が、私が日々意識している「成功するための7つの習慣」です。ひとつひとつ、自分のパフォーマンスを最大限するために始めたことで、今は完全に習慣化しました。この中の1つでも取り入れることで、日々の生活が好転するかもしれません。ぜひ、少しずつ試してみてほしいです。

文/三凛さとし

富とお金のメンタルトレーナー。ニューヨーク州立大学卒業後、借金苦と人生の挫折からメンタルトレーニングの重要性を学び、不動産ビジネスで成功。その成功体験をもとに、人生を好転させるヒントをSNSで発信。YouTube、X、Instagramなどで合計45万人以上のフォロワーを獲得し、初書籍「親子の法則」の発行部数は6万部を記録。自身が開発したコーチングプログラムは約10年でのべ20万人以上が参加。

X(旧Twitter):@sanrin_hikiyose

日刊SPA!に「普通の会社員だった男性が「30代でFIREを達成できたワケ」。稼ぐために必要な3つのこと」が掲載:2024年9月27日

普通の会社員だった男性が「30代でFIREを達成できたワケ」。稼ぐために必要な3つのこと


皆さん、こんにちは。メンタルトレーナーの三凛さとしです。私は20代で借金と挫折を経験し、その中でメンタルトレーニングの重要性に気づきました。その後、ビジネスに成功し、30代で一度FIREを達成。その体験などをもとに「人生を好転させるヒント」をSNSで発信しています。

日刊SPA!では「ストレスなく生きていくための方法」をお伝えできればと思っております。前回はFIRE達成後の生活について、ご紹介しましたが、今回は「30代でFIREを達成するまでにやっていたこと」について、お話ししていきます。

「働いたら負け」と思っていた20代

大学卒業後、私が就職したのは大手一般企業です。選んだ理由は単純で、「安定していそうだし、簡単にはクビにならないだろう」というものでした。当時の私は、「自分に大した才能なんてないし、やりたいこともないし、どうせ大した人生にはならないだろう」と感じていて、「働いたら負け」「就職するのは会社の奴隷になることだ」くらいに思っていました。

 そこで、なるべく何もしないで済む就職先を選んだ結果、内定が出た会社の中で一番安定しそうな大手企業に入社することを決めました。

 まさにやる気のない新卒社員だったわけですが、ラッキーだったのは、会社の上司や先輩にとても恵まれたことです。最初はやりたくない仕事をダラダラやるだけだったものの、3年も働くうちに「仕事って、意外と悪くないかも?」と思うようになって、仕事の楽しさも少しずつ感じられるようになりました。

 そして、入社3年目、私は会社を退職し、突然アメリカに行くことを決断します。このとき「どうせ好きでもない仕事を3年間も続けられたんだから、自分の興味のあることならもっと続けられるかもしれない!」と思ったのがきっかけでした。

 

アメリカで驚いた「押しのけてなんぼ」というカルチャー

 到着したのは、アメリカのNY。生活はとても刺激的でしたが、一方で、「自己主張こそが全て」という文化には驚かされることが多かったです。たとえば、同じミーティングでも、日本ではお互いに発言の順番を気にかけたり、周りを配慮したりすることが当たり前ですが、アメリカではそんな気配りは一切ありません。道を歩いていても、誰も譲ってくれませんし、ビジネスの場でも「押しのけてなんぼ」という雰囲気が漂っていました。

 当時の私はファッションデザイナーを目指していましたが、アメリカに身を置いて直面したのが、「この場所で成功するには、デザインのスキルだけではなく、自己主張や人脈が必要だ」という現実でした。どんなにスキルを磨いても、引っ込み思案な性格ではチャンスが巡ってこない。逆に自己アピールがうまい人は、そこまでセンスがなくても成功していく。

 その様子を目の当たりにし、「なんて自分はメンタルが弱いんだろう……」と落ち込むようになりました。

 

転機となったFacebookの広告

チャレンジする勇気が持てない自分を変えたいと思うようになった頃、転機となったのは、Facebook上で偶然目に留まったひとつの広告です。

「あなた何のためにアメリカに住んでるんですか!?」

 そう書かれた広告をクリックしてみると、リンク先には、ロサンゼルス在住の日本人ライフコーチがいました。そして、その方が提供しているメンタル改善プログラムを通じて、自分を抑え込んでいた心理的な要因を解放できる、というものでした。

 当時の私は、ライフコーチという職業の存在を知りませんでしたが、「自分を変えたい!」と思い、決して安くはないものの、思い切ってそのプログラムを受けることを決めました。

 そして、いざプログラムを受けると、「こんな世界があったのか」と深い衝撃を受けたのです。これを契機に心理学の世界の深さにどっぷりとハマってしまった私は、いつしか心理学の研究を始めるようになっていました。

 そして、2014年の元旦、「これからはライフコーチとして生きていこう」と決心します。その後は、ライフコーチとして独立し、自らをコンテンツ化してネットビジネスと連携させることに成功。その結果、毎年1億円近い収益を得て、経済的に自由な生活を手に入れることに成功しました。

 

最初のステップは「買ってもらう」ものを決めること

さて、ここまで駆け足で私がFIREに至った理由をお伝えしましたが、読者のみなさん一番気になるのは「いかにしてビジネスを成功させたか」だと思います。

 私が具体的に何をしたのかというと、ごくシンプルです。人が何らかの商品を購入するに至るステップは「知る」「手に取る」「買う」に集約されます。だからこそ、「買ってもらうにはどうしたらいいか」「手に取ってもらうにはどうしたらいいか」「知ってもらうにはどうしたらいいか」という順番で、段階を踏んでビジネスモデルを突き詰めていけば、必ずなんらかの成果を上げられるはずなのです。

 では、順を追って考えてみましょう。

 まずは「買ってもらう」というステップについて。これは、自分が売る商品やサービスを決めるところから始まります。もし、文章を書くのが上手な人なら「読まれやすいメルマガの書き方講座を提供します」と自分のスキルを商品化し、メルマガやブログの書き方を教えるオンライン講座を提供するなどの展開が見込めます。

 私の場合は、ほかのコーチの方々や本や教材から学んだメンタルコーチとしての知識を商品にすることを決めました。

 

2つ目のステップは「手に取ってもらう」

次は「手に取ってもらう」というステップです。商品やサービスをいきなり買ってもらうのは難しいので、まずは無料サンプルを通じて、お客さんに試してもらう機会を作りましょう。

 たとえば、化粧品業界では、ドモホルンリンクルの無料お試しセットが有名ですが、これは実際にサンプルを使って肌の変化を実感することで、購入を検討してもらう仕組みです。

 私が実際にやったのは「無料のコーチングセッション体験」を提供することでした。初回は無料で受けてもらい、その効果を感じてもらったら「有料セッションに申し込んでみませんか?」と提案し、無料体験をよいと思ってくれた何人かの方がそのまま有料セッションに進み、顧客となってくれました。

3つめのステップは「知ってもらうこと」

 最後のステップは、「知ってもらう」ことです。どんなによい商品を作っても、存在を知ってもらわなければ話になりません。

 たとえば、新規オープンのラーメン屋さんは、開店早々にクーポンを配ったり、駅前でチラシを配ったりするのも「手に取ってもらう」ための工夫を行います。クーポンを使ってお店に来てもらい、一度ラーメンを食べたお客さんには「また来よう!」と思ってもらえるでしょう。

 現代では、SNSなど無料で使えるPRツールがたくさんあります。私も、最初にコーチングセッションを始めたとき、アメブロやFacebook、メルマガなどを使って自分を知ってもらうように意識しました。

3つのステップを踏めば、誰でもビジネスは作れる

もちろん中には「自分には売れるほどのスキルがない」と思う方もいるでしょう。その場合は、最初にスキルを培う作業も必要です。得意なことや前から挑戦してみたかったことに取り組んでもいいし、動画編集やSNS広告などいまの時代に求められるスキルから選んでみるのもいいと思います。私自身も最初はゼロからコーチングを学び、そこから無料体験を提供して、次に顧客を増やす形を取りました。

「知ってもらう」「手に取ってもらう」「買ってもらう」という3つのステップさえ意識して実行すれば、誰でもビジネスを立ち上げることができます。そして、ビジネスが軌道に乗れば、他人に業務を任せたりマニュアル化したりと、いわゆる自動化を進めることで、経済的な自立と時間的にも余裕のあるライフスタイルに一歩ずつ近づいていくことができます。

「ビジネスの立ち上げなんて難しそう」と思わず、まずは第一歩踏み出してみてほしいと思います。

文/三凛さとし

日刊SPA!に「30代でFIREを達成したのに「幸せになれなかった理由」。経験者が語る“セミリタイアの落とし穴”」が掲載:2024年8月28日

30代でFIREを達成したのに「幸せになれなかった理由」。経験者が語る“セミリタイアの落とし穴”


皆さん、こんにちは。メンタルトレーナーの三凛さとしです。私は20代で借金と挫折を経験し、その中でメンタルトレーニングの重要性に気づきました。その後、ビジネスに成功し、30代で一度FIREを達成。その体験などをもとに「人生を好転させるヒント」をSNSで発信しています。

 日刊SPA!では「ストレスなく生きていくための方法」をお伝えできればと思っております。連載第2回となる今回は「30代でFIREを達成しても幸せになれない理由」について、お話していきます。

なぜ、多くの人はセミリタイアしても幸せになれないのか

昨今、「セミリタイアして悠々自適な生活をしたい」「仕事をしてお金を稼がなくても不安のない人生を送りたい」と思う人は年々増えているように思います。現時点でも、セミリタイアやFIREという夢に向かって、一生懸命努力している方も多いかもしれません。

 ただ、冒頭から夢のない話で本当に申し訳ないのですが、はっきり言わせてください。残念なことに、若いうちにセミリタイアをしても、多くの人は幸せにはなれません。

 なぜ、多くの人が憧れるセミリタイアを実現しても、幸せになれないのか。今回は、30代でセミリタイアを果たしたものの、数か月で仕事に復帰した私の実体験を通じて、その理由を解説させていただきます。

 

25歳で退職し「セミリタイア」を志す

 私がセミリタイアを考えるようになったのは、25歳ぐらいの頃です。新卒で入った会社で将来に希望が持てなかった私は、入社3年目で退職し、「アメリカでファッションデザイナーになる!」という壮大な夢を描いて、NYへと渡りました。

 しかし、無計画にもアメリカに乗り込んだ先に待っていたのは、とてつもない極貧生活でした。ドブネズミが走る縦1.5メートル横幅1メートルほどの小さな木箱の中に住みながら、バーテンダーとして働いて日銭を稼ぐ日々は、今思い出しても本当にキツかったです……。

 さすがのド底辺生活に危機感を抱き、「仕事やお金に囚われず、経済的に自立したい。セミリタイア生活をめざそう!」と一念発起。3年間必死で試行錯誤した末、寝ていても遊んでいても収益が上がるようなビジネスの仕組みを構築することに成功します。そこから年間1億円ほどの利益が入るような状況になり、いよいよ私は念願のセミリタイア人生をスタートさせたのです。

 

まったく楽しくなかったセミリタイア人生

憧れのセミリタイア生活は、最初はとても気ままで楽しいものでした。好きなときに好きな場所に行ける。もともと海外生活が好きだった自分にとっては、理想的な生活でした。

 しかし、数か月ほどすると、徐々に異変が現れ始めます。

 何をしても、楽しくない。毎日、生きている実感が得られない……。

 気が付くと、あれほどまでに憧れていたセミリタイア生活よりも、「セミリタイアしたい」と頑張っていた日々の方が懐かしさを感じてしまうようになりました。その時点で、セミリタイア生活がほとほと嫌になっていたのだと思います。

 当時の私は、毎日のように「自分は何をしたらいいのか」と考えながら、ただフラフラと海外に行って、一見楽しそうに見える写真を撮影しては、SNSに投稿するだけの日々を続けていました。

 

目標を失ったことで人生が不幸に…

 夢のセミリタイアを実現できたのに、どうしてこんなに楽しめないのか。悩み続けた結果、その理由は、自分自身が「セミリタイアをする」という大きな目標を失ったからだと気が付いたのです。経済的な自由は得たものの、目標がなくなったことで、毎日なにを目指して生きればよいのかわからなくなっていたのでしょう。

 実際、私と同じようにセミリタイアを達成した人に会ってみても、一時は満足しても、人生の目的を見失い、以前よりも表情が暗くなった人ばかり。いまだに「セミリタイアしたいまが、人生で一番幸せ!」と笑顔で答える人には、ほぼ出会ったことがありません。

 

日々新しいことに挑戦することが本当の幸せ

 では、どうしたら自分は幸せになれるのか。それを考えるべく、私は自分の過去について振り返ってみました。すると、セミリタイアをめざして日々新しいビジネスを考えたり、自分が世の中に提供したものを喜んでもらったりしたときこそが、もっとも幸せな瞬間だったなと気が付いたのです。

「自分は、日々目標をもって、新しいことに挑戦して、人から喜ばれることが幸せなんだ」

 そう気がついた私は、再び仕事を始めるようになりました。最初は、「とはいえ、本気で仕事を始めたらしんどいよな」「やることも増えるし忙しくなるのも嫌だな」との思いがあったため、どこか本気で仕事には打ち込めていなかったように思います。

 しかし、中途半端に仕事をしても、中途半端な結果しか得られないため、なかなか楽しくなれない。「自分に負荷をかけないと、幸福感は高まらないのかもしれない」と気がついてからは、セミリタイア前よりもさらに毎日全力で仕事に打ち込むようになりました。

 また、セミリタイア前と大きく変わったのが、楽をすることに興味がなくなり、純粋に仕事を生きがいだと感じるようになったことです。昨今日本では「好きなことで生きていく」ということや「FIRE(経済的自由の実現)」といったキーワードがとても人気ですが、これは多くの方は極力自分は面倒なことをせず楽をして良い思いをしたいと思っているからです。

 しかし、楽をしたいと思っている状態というのは「仕事=面倒なこと、嫌なこと」だと本質的に信じてしまっているということなので、これは本質的には不幸なことなんだと私は結論づいています。

 一度セミリタイアして良かった点は、楽することを目指して生きるよりも、世の中や他者から少しでも喜んでもらえるように試行錯誤する生き方の方が魅力的だと気づけたところと、自分もそうなりたいと思えるようになったところだと感じています。

 

社会貢献する人が憧れられる世の中になってほしい

経済的自立を果たし、セミリタイアやFIREをめざすこと自体は、まったく否定するつもりはありません。ただ、経済的な自立は、あくまで「自分の納得のいく人生」を歩むうえでの通過点にしか過ぎないと思います。

 問題は、その先に自分がどんな人生を望むかです。「セミリタイアで悠々自適の生活をしたい」という目標だけを追いかける人は、いざ達成した途端に、人生の目的を失ってしまいます。それこそ、かつての私のように。

 では、仮にセミリタイアを実現したら、どんな目標を持つべきなのか。そこで私が提案したいのは、「自分にとって新たな挑戦となる仕事をすること」です。やはりある程度自分に負荷をかけないと人生は停滞していくからです。

「仕事をしたくなく、暇になりたいからセミリタイアするのだ」という人にとっては矛盾を感じるかもしれません。でも、挑戦や成長のない人生ほど生きている手応えが感じられないものはありません。

 最近注目されているカリフォルニア大学の研究においても「1日の自由時間が5時間以上ある人は精神的に病みやすくなる」という結果が出ていますが、これはまさにセミリタイヤして暇になった人が幸福度を落としてしまうエビデンスの1つです。

 これまで私は数多くの幸せな億万長者を見てきましたが、その共通点は「豊かで幸せな人は仕事が大好きだ」ということです。そして仕事が大好きだから結果が出るんですね。

 結果を出すから豊かになる。そして、経済的に豊かになっても、仕事は好きだからずっと続けていき、その仕事が周囲の人に感謝され、その感謝がモチベーションとなる。こういった好循環が生まれている気がします。

 逆説的な話ではありますが、「仕事が嫌いだ」と言っている人ほど、いつまでも経済的自立は実現できないのではないでしょうか。

 現在、日本では「会社や仕事が嫌だ」と感じる人が多く、FIREやセミリタイアを実現した人を尊敬する風潮も根強いです。でも、FIREする人ばかりが増えると、経済も停滞するし、いまよりもっと夢のない未来が待ち受けています。

 だからこそ、セミリタイアする人に憧れるのではなく、経済的自立を果たしてもなお、仕事や事業を通じて世の中に貢献するような“本当に豊かな人”たちが、世の中で憧れの存在になってほしいなと、心から思っています。

文/三凛さとし

日刊SPA!に「30代でFIREを達成した経営者が語る「好きなことで稼ぐための3つのコツ」」が掲載:2024年7月31日

30代でFIREを達成した経営者が語る「好きなことで稼ぐための3つのコツ」


皆さん、こんにちは。メンタルトレーナーの三凛さとしです。私は20代で借金と挫折を経験し、その中でメンタルトレーニングの重要性に気づきました。その後、ビジネスに成功し、30代で一度FIREを達成。その体験などをもとに「人生を好転させるヒント」をSNSで発信しています。

 日刊SPA!では「ストレスなく生きていくための方法」をお伝えできればと思っております。連載第1回となる今回は「自分が好きなことを仕事にするための心得」について、お話していきます。

会社員はデメリットが多いのか?

いまの世の中、自分の働き方に不満を持つ方は決して少なくないでしょう。ライフコーチとして活動する私のところにも、日夜、働き方についての質問が寄せられます。特に多いのが、会社員の方からの悩み相談です。

「会社を離れ、三凛さんのように自由に働きたいのですが、どうしたらいいですか」
「今の仕事に不満があるので会社を辞めたいのですが、好きな仕事をする方法はありますか」

 でも、こうした相談が寄せられた際、私はひとつの質問をするようにしています。

「現状を変える前に、ひとつ考えてみてください。会社員としての生活は、本当にデメリットばかりだと思っていますか?」と。

 私自身は起業家という道を歩んでいますが、日本でサラリーマンという働き方を選ぶことは、決して悪い選択ではないと思っています。なぜなら、日本の会社員は法律的にも非常に守られた存在だからです。

 

デメリットの裏にはメリットが隠れていることも

 たとえば、仮にあなたがなにか仕事でミスをしたとしましょう。結果、会社に損害を与えても、自分がその損害を被る必要はありません。また、その後の対処策についても、会社のだれかが決めてくれます。

 私はいつも「自由と責任はセットである」と考えています。仮に自由を求めて起業家になった場合は、経営方針を自分ひとりで決めなければなりません。そして、自分ではリカバリーできない大損害が発生した場合は、廃業したうえに負債を背負うこともあります。その点、会社員は大きなメリットを享受しているので、不自由さや窮屈さがあってもある程度は仕方がないとも考えられるわけです。

 たとえば、私のSNSを見た方から、「海外で悠々自適に暮らしていいよね」との声を寄せられることがあります。でも、すべてのインフルエンサーがそうだと思いますが、SNSで公開しているのは、あくまで生活の良い部分を切り取っているにすぎません。

 人生は、すべてトレードオフです。私はこれを「陰陽思考」と呼んでいるのですが、楽な部分しかない人生はありえないし、楽しい部分がある分、苦痛だってたくさんあります。だから、いまご自身がデメリットだと感じている事柄の裏には、何かしらのメリットが隠れている可能性が極めて高いのです。

仕事のメリットとデメリットを書き出してみよう

いま「仕事が嫌で辞めたい」「もっと違う仕事がしたい」という人は、まずはメリットとデメリットの両方を紙に書き出してみてください。なお、この作業は手書きでお願いします。米プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究によれば、ノートを手書きで取る方が、パソコンで取るよりも記憶の定着率が高いという結果もあるので、できれば手書きで整理してみてほしいです。

 メリットとデメリットを書きだした末、それでもあなたが「自分は他人に何かをやらされている感覚を持たずに生きていきたい」と思うのならば、起業という選択肢が生まれます。その場合、次のステップへと移りましょう。

 

自分が好きなことを仕事にするためのコツ

 では仮に、ご自身が「起業したい」「副業したい」などと思った場合、どうやって仕事を探すべきなのでしょうか。せっかく起業するならば、会社のように「やらされている感」がない仕事を選んでほしいと思います。

 多くの人は、プライベートと仕事を分けすぎる傾向があります。でも、仕事のなかに好きな要素が増えていくと、仕事の時間でも「仕事感」がなくなっていくことでしょう。そうなると自分が好きなことをやっている感覚しかなくなるので、毎日が楽しくなります。

 私の場合は仕事時間が十分楽しいので、プライベートの時間が欲しいなんて全然思いません。仕事をしているのが幸せで、仕事は趣味であり、生きがいでもあるという状況です。

 たとえば、私はタイのプロサッカーチームの移籍ビジネスを手掛ける仕事をしています。このビジネスを始めるきっかけは、私自身タイが好きで、サッカーも日本でサッカーの試合のスポンサーをやるくらい好きだから。プライベートと仕事の境目がなく、起きている間は全部仕事をしていても、遊んでいる感覚すらあります。

 

自分の好きな仕事を探す方法

 とはいえ、「自分が好きな仕事を探すことが難しい」という方もいるでしょう。では、自分の好きを仕事にするにはどうしたらいいのか。その中で、おすすめの方法は「自分が“この人の働き方や人生はうらやましい”と感じる人を探すこと」です。「この人の働き方はいいな」「この人の自由さが素敵だな」「この人はたくさん周囲に人がいてうらやましいな」と思える人を探しましょう。

 いまの時代はSNSで自分の生活をさらけ出している人も多いので、自分が「いいな」と思う人のサンプルはたくさん見つかるはずです。

 

憧れの人を分析することが大切

 もし見つかったら、次にやっていただきたいのが、「どうやってその人がその場所にたどり着いたのかを分析すること」です。

 たとえば、私の場合、最初にライフコーチを目指すきっかけとなったのは、SNS上で見かけたアメリカに住んでいる日本人のライフコーチの方がでした。その生き方が素敵だなと思ってからは、「具体的にその人はどんなことをしているのか」を観察するようになったのです。その方の集客方法や発信方法、扱うテーマやビジネスモデルのやり方を見よう見まねで取り入れた結果、現在に至っています。

 以上が「自分が好きなことを仕事にするための心得」です。今後も、私の体験談をもとに、ストレスなく生きていくためのコツをお届けしていきますので、少しでも参考にしていただけると幸いです。

文/三凛さとし

THE GOLD ONLINEに「老後は国をあてにしないでください…。新NISAスタートの裏側に潜む「真のメッセージ」とは?」が掲載:2024年11月1日

老後は国をあてにしないでください…。新NISAスタートの裏側に潜む「真のメッセージ」とは?


大企業に就職すれば安泰という時代は終わり、今では新NISAの創設をはじめ、個々人の資産形成力が国からも求められる時代となりました。本記事では、15万人に「お金の最適解」を教えてきた三凛さとし氏の著書『金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、お金を「もらう」のではなく「つくる」時代の生き方について解説します。


お金は「もらうもの」ではなく「作り出すもの」

日本では今後も年金をあてにできない状況が続き、退職金制度も縮小していき、人口減少によって内需も労働力も減っていくでしょう。労働力が減っている割には正社員として働ける場所は少なく、非正規雇用ばかりが増えているという現実もあります。その事実に目を背けてはいけません。

 

そうした中でもお金持ちになる人はいます。年金問題や円安の不安などがつきまとう一方で、現在は投資ブームも巻き起こっています。その発端となったのは、2024年1月、少額投資非課税制度・NISA(ニーサ)の非課税枠が拡充されたことでした。

 

通常であれば、投資で得た売却益や配当などの利益には所得税15.315%(2037年までの復興特別所得税含む)、住民税5%の合計20.315%が課せられます。例えば、株式投資などで100万円の利益があったとしても、税金20万3,150円が引かれるので、手取りは79万6,850円になってしまうのです。

 

ところが、NISA口座で売買した金融商品に関しては非課税になるため、100万円の利益から税金が引かれることなく、丸ごと100万円を手にできるというわけです。

 

大変ありがたい制度ではあるのですが、どうして政府は今このような制度を創設したのでしょうか。「そうでもしなければならない切実な理由があったから」と考えるのが妥当でしょう。

 

つまり、「年金財政の悪化や人口減少等の影響で国はこれまでのように、国民の老後の面倒を見ることは難しくなった。その代わりに有利な資産形成のしくみを作ってあげるから、各自で老後資金作りの努力をしなさい」ということです。

 

国をあてにできない時代、お金に関する意識を変えることが必要

 

組織に属していれば安泰だった日本。それこそ昔から続く伝統で、圧倒的多数を占めた農民は村落共同体というコミュニティで相互に助け合う「相互扶助」が一般的でした。また、武家社会では殿様に忠義を尽くすことで一生面倒を見てもらうことができました。そして戦後、多くの会社ができて勤め人が増えてからは、会社と国が守ってくれていました。

 

しかし、そんな「日本人として一般的な生き方」が、今できなくなりつつあります。お金は会社や国から「もらうもの」ではなく、自分の手で「作り出すもの」と認識を改めなければならないタイミングが、まさに今なのです。

 

ちなみに私は、今までの日本が過保護すぎたのではないかと感じています。国に余裕があるうちはそれでも問題化することはありませんでした。でも、もう国にそこまでの余裕がなくなってしまいました。1990年代初頭のバブル経済崩壊後、「失われた30年」と言われる底なしの不況に入りました。

 

この間、日本経済の主要な経済指標である「日経平均株価」は著しく下落。ようやくバブル経済前の最高値を超えるには2024年まで待たねばなりませんでした。

 

ほかの国ではこの30年の間にぐんぐんと経済成長を果たしていったというのに、日本だけが不況からの回復が遅れてしまったのです。それが「老後は国をあてにしないで」というメッセージの要因だと思います。

 

今すべきことは、これまでのお金に関する意識を変えていくことです。

 

大企業に就職すれば安泰の時代は終わりました。とはいえ、逆に現代では頭を使って時流をうまくつかみ、自分の特技と結びつけることによって一発逆転することも可能になっています。誰もがインターネットを通じて世界中に自由に発信することができる時代なのですから。むしろ、そうした生き方をしていったほうが、これからますます厳しくなっていく時代を乗り切っていける可能性は高いと言えます。

 

まずは意識を変えるためのきっかけをつかみましょう。

 

三凛 さとし

THE GOLD ONLINEに「仕事に熱心に取り組んでいる人はたったの「6%」?日本人のモチベーションの低さがもたらす弊害とは」が掲載:2024年10月25日

仕事に熱心に取り組んでいる人はたったの「6%」?日本人のモチベーションの低さがもたらす弊害とは


アメリカ・ギャラップ社の国際調査によると、「仕事に熱心に取り組んでいる」と答えた日本人はわずか6%。調査対象となった約140の国の中でも最低レベルの数値だといいます。本記事では、15万人に「お金の最適解」を教えてきた三凛さとし氏の著書『金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、日本人の仕事へのモチベーションの低さやそれがもたらす弊害について解説します。


「失われた30年」―日本人の心理的変化と驚くべき国際比較

1990年代初頭のバブル崩壊から30年以上が経過しましたが、日本経済は未だに本格的な回復を果たせていません。この長期停滞の根底には、日本人特有の心理的要因があると考えられます。

 

特筆すべきは、日本人の仕事へのモチベーションと自己肯定感の低さです。国際比較調査によると、日本は先進国の中でも際立って低い数値を示しています。特に衝撃的なのは、アメリカのギャラップ社による国際調査結果(2023年)です。この調査によると、日本人で「仕事に熱心に取り組んでいる」と答えた社員はわずか6%に過ぎませんでした。

 

これは調査対象となった約140の国のうち、最低レベルという驚くべき結果です。世界平均の23%と比較しても、日本人の仕事へのモチベーションの低さが際立っています。この数字は、日本の労働生産性の低さとも一致します。OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、日本の労働生産性は加盟国中で下位に位置しており、G7諸国の中では最下位です。

 

また、自己肯定感についても同様の傾向が見られます。内閣府の調査によると、「自分に満足している」と答えた日本の若者の割合は45.1%で、アメリカ(87.0%)、イギリス(80.1%)、フランス(85.8%)などと比較して著しく低い数値となっています。

 

一方で、この30年間で経済成長を遂げた国々、例えば韓国や中国、そして一時的な停滞から回復したアメリカなどでは、仕事へのモチベーションや自己肯定感が比較的高いことが各種調査で示されています。

 

例えば、同じギャラップ社の調査では、アメリカの「仕事に熱心」な社員の割合は33%、中国では19%、韓国では13%と、日本の6%を大きく上回っています。これらの国々では、チャレンジ精神や自己実現への意欲が高く、それが新たな産業やイノベーションを生み出す原動力となっています。

 

韓国のIT産業や中国のテクノロジー企業の台頭、アメリカのシリコンバレーにおける継続的なイノベーションなどは、その現れと言えるでしょう。日本がバブル崩壊から真の意味で立ち直れていない大きな要因は、こうした仕事へのモチベーションと自己肯定感の低さにあると考えられます。

 

「どうせうまくいかない」「自分には無理だ」という思考パターンが、個人レベルでの成長を妨げ、それが集積して社会全体の停滞につながっているのです。この状況を打破するためには、個人レベルでの意識改革が不可欠です。

 

自己肯定感を高め、失敗することを恐れず、前向きな姿勢で挑戦することの価値を再認識する必要があります。それは単に個人の幸福のためだけでなく、日本経済全体の活性化にもつながるのです。

 

メンタルブロック(私たちの心の中に無意識のうちに形成される目に見えない障壁)を解消することは、まさにこの課題に対する1つの解答となるでしょう。自分自身の価値を信じ、お金や成功に対する健全な関係性を築くことは、個人の豊かさだけでなく、日本社会全体の再生にも貢献する可能性を秘めています。

 

他国の成功例から学びつつ、日本固有の文化や価値観を活かしながら、新たな成長モデルを構築していくことが求められています。そのためにも、まずは個人レベルでの意識改革、特に自己肯定感の向上と仕事へのモチベーションの回復が重要となるのです。

 

三凛 さとし

THE GOLD ONLINEに「親が抱えたお金の悩みが子どもへと連鎖する?データが示す「収入と貯金」への影響」が掲載:2024年9月13日

親が抱えたお金の悩みが子どもへと連鎖する?データが示す「収入と貯金」への影響


子どもの頃に見た「親がお金で困る姿」。それがいつしか大きなメンタルブロックとなって、収入や貯金に影響を与えることもあるといいます。本記事では、延べ15万人に「お金の最適解」を教えてきた三凛さとし氏の著書『金のなる本 誰でも再現できる一生お金に困らない方法』(KADOKAWA)より、一部を抜粋、再編集して、親から子どもに連鎖する「お金の悩み」について詳しく紹介します。


親が抱えたお金の悩みが子どもへと連鎖する?

子どもの頃に「親がお金で苦労する姿」を見て育った人は、成人してから金銭的な面でさまざまな悩みに直面する傾向があります。経済格差の連鎖には、教育への資金の多少に加えて、メンタル的な要因も大きいというのが私の考えです。

その相関関係を調べるために調査を実施しました。30歳以上60歳未満で、子どものいない未婚の男女、全国1,688人にインターネットでアンケートを行ったものです(2022年、合同会社serendipity調べ)。

まず、「幼少期に見た、お金に対する親の様子」に関する質問結果から、親がお金に苦しむ姿を「見てきた」グループ(692人)と、「見てこなかった」グループ(305人)を抽出。各グループの年収、貯金額、お金の悩みを比較しました。

年収について、明確な差が表れたのは「0円~300万円未満」の人と、「500万円~1,200万円未満」の人でした。低収入と言える前者では親がお金に苦しむ姿を「見てきた」人の割合が多く、高収入と言える後者では「見てこなかった」人が2倍ほどの割合になりました。

この結果から、幼少期に親がお金に関することで苦しむ姿を見て育った人は低収入になる傾向があり、表現を変えれば「高収入になることができない」傾向があると言えます。

貯金の有無にも同様の傾向が見られました。「貯金がない」と答えた人の割合は、親がお金に苦しむ姿を「見てきた」グループ(23.4%)と、「見てこなかった」グループ(13.1%)を比べると、約1.8倍もの差がありました。

 

「収入」と「貯金」にも影響

最後に、お金の悩みに関する質問についても紹介しましょう。悩みの内容に関して、2つのグループで特に顕著な差が表れたものは、「収入が思うように増えない」と「貯金ができない」でした(図表1)。

[図表1]

収入が増えない悩みを持つ人は「見てきた」グループで46.0%、「見てこなかった」グループで27.9%。貯金ができない悩みを持つ人は「見てきた」グループで39.0%、「見てこなかった」グループで24.9%となりました。

親がお金に苦労する姿を見て育った人は、収入と貯金という経済的に重要な2つの面に大きな影響が出ることがデータでも確認できたと言えます。

私のお金に関するメンタルブロック(※)の形成に大きな影響を与えたのは、高校生のときのつらい経験でした。両親が離婚した後、私と弟の養育費を巡って、父と母が激しく争う場面に幾度となく遭遇しました。そして、その仲裁役を私が担わされることになったのです。

父が養育費を渋っているように感じられ、「自分は十分なお金を払ってもらえないくらい価値のない存在なんだ」という思い込みが心に刻まれていきました。この経験は私の自己肯定感を大きく低下させ、人生を前向きに捉えることを難しくさせました。

同時に、両親がお金を巡って争う姿を目の当たりにしたことで、「お金は人を意地悪にし、性格を悪くする怖いもの」というイメージが強く植えつけられました。この恐怖感は、長年にわたって私のお金に対する態度に影響を与え続けました。

お金を持つことへの無意識の抵抗感や、経済的成功を追求することへの罪悪感は、ここに起源があったのです。

 

※メンタルブロック…私たちの心の中に無意識のうちに形成される目に見えない障壁のこと。「自分には無理だ」「お金を持つことは悪いことだ」「成功するのは一部の人だけだ」といった否定的な信念や思い込みは、典型的なメンタルブロックの例です。結果として、個人の潜在能力の発揮を妨げ、人生の重要な機会を逃す原因となることがあります。

三凛 さとし

ライフコーチ